虫歯について知りましょう
「今まで虫歯にかかったことがない!」という方はとても珍しいほど、大変多い歯の病気です。虫歯菌が出す酸によって、歯が溶かされる病気が「虫歯」。自然治癒することがなく、痛みが出始めたときにはすでにかなり進行していることがほとんどです。放置しておくとどんどん痛みは激しさを増し、最悪の場合歯を失うことになってしまいます。
歯が沁みたり痛みに気づいたらできるだけ早く治療を始めましょう。処置が早ければ早いほど、治療期間は短く、痛みも少なく済みます。
虫歯の進行と段落
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C0:脱灰
歯の表面のエナメル質が少し溶けている状態で、白濁が見られます。痛みはありません。また、この段階であれば正しいブラッシングやフッ素塗布により完治する場合があります。
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C1:歯の表面
(エナメル質)の虫歯エナメル質が少し黒くなっている状態です。この段階でも痛みはありません。虫歯部分を削り、詰めものをします。
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C2:歯の中(象牙質)の虫歯
歯の内側にまで虫歯が進行している状態です。冷たいものや甘いものを口に入れると痛みます。虫歯部分を削り、詰めものをします。
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C3:神経まで進行した虫歯
歯の神経にまで虫歯が達した状態で、激しい痛みを伴います。神経を取り除いて被せものをします。
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C4:歯根まで進行した虫歯
虫歯が歯根まで達した状態です。神経が死んでいるため痛みは感じませんが、菌があごの骨まで達して膿むことがあります。最悪の場合、抜歯することになります。
親知らずの抜歯
基本的には急性症状(炎症)のない時に行うべきものです。したがって痛みのあるときは薬(抗生物質)で炎症を抑えてから、外科処置することが一般的です。外科処置は安全な技術の中で出来るだけ手早く、正確にする必要性があります。もちろん患者さまも早いに越したことはないでしょう。
当院では上顎の親知らずは2分以内、下顎の親知らずは2分~15分以内で抜歯します。(ただしこれは麻酔の時間、縫合の時間は含みません。)横に生えている智歯(水平埋伏智歯)の場合は2~3つに分解してから取り出します。
親知らずの抜歯条件
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1虫歯がかなり大きく治療の限界を超えている
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2咬み合っていない、または今後咬み合う気配もない歯
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3痛み、炎症をくり返す
歯肉が親知らずに被り、歯磨きがしづらいためにプラークがたまりやすいのが原因です。
2回以上繰り返すようでしたら抜歯を考えてもいいかもしれません。 -
4一つ前の歯に偽害性
一つ前の歯が内部吸収を起こしたり、虫歯、歯周病になる可能性が高い時があります。
以上にあてはまらない時は抜歯しない方がいいでしょう。虫歯や歯根破折でだめになった歯を抜歯して親知らずを移植する歯牙移植という治療法があります。教科書的には50%程度の成功率ですが、私の経験では(診断が重要ですが)100%です。